
「iD 使い方」で調べると、スマートフォンやカードをかざして払う電子マネーの話と、アプリにログインして払うサービスの話が混ざって出てきます。この記事で扱うのは前者の電子マネー「iD(アイディ)」です。iD公式サイト、NTTドコモ、カード会社、Google ウォレット ヘルプの案内をもとに、iDの種類と、持ち方ごとの設定の違い、レジでの払い方を順に整理します。
電子マネーの「iD」とアカウント型の「ID決済」は別物
NTTドコモのサービスページによると、iDは「スマホやカードをかざしてお支払いができるサービス」で、提供元は株式会社NTTドコモ・フィナンシャルグループです。iD公式サイトでは「お持ちのカードや決済サービスをスマートフォンやカードで端末にかざすだけで利用ができる電子マネー」と説明されています。
一方、ネット上にはPayPayなどのコード決済を、ユーザーIDでログインして使う決済という意味で「ID決済」と呼ぶ記事があります。こちらはアプリのアカウントに支払い手段をひもづけ、コードを見せたり読み取ったりして払う方式で、iDのロゴが付いた読み取り機にかざす電子マネーとは仕組みも使う場所も違います。
見分け方はシンプルです。
- 電子マネーのiD:小文字の「i」と大文字の「D」の表記で、店頭のiDロゴがある端末にかざして払う
- アカウント型の「ID決済」:特定のサービス名ではなく、ログインして使う決済をまとめた呼び方
以下はすべて電子マネーのiDの話です。
支払い元で分かれる3つのタイプ
iDは、手持ちのカードや口座にひもづく「払い方」の一つです。iD公式サイトの対応カード一覧では、2026年9月時点で支払い元によって次の3タイプに分けられています。
- ポストペイ型:クレジットカードにひもづくタイプ。公式サイトによると、利用分がクレジットカード代金と一緒に請求されるため、事前のチャージは不要です
- プリペイド型:事前にチャージした残高から払うタイプ。公式サイトは「使いすぎ防止の安心」を特徴に挙げています
- デビット型:銀行口座の残高内で使うタイプです
同じ一覧では、ポストペイ型の発行元として三井住友カードやイオン銀行、NTTドコモ・フィナンシャルグループ、プリペイド型としてANA XやSBペイメントサービス、メルペイ、デビット型として三井住友カードやSMBC信託銀行などが挙がっています。どのタイプになるかは、利用者が選ぶのではなく、もとのカードで決まります。
タイプの違いは使える場所にも出ます。iDスタートガイドには、2026年9月時点で「iDプリペイドおよびiDデビットでは、飲料自販機・ガソリンスタンド・その他ホテル等一部店舗でご利用頂けません」とあります。ガソリンスタンドやホテルでiDを使う予定があるなら、ポストペイ型かどうかを先に確かめておきましょう。
持ち方ごとの設定の違い
iD公式サイトでは、対応サービスの形態がカード型、おサイフケータイ、Apple Pay、Google Payの4つに分けて示されています。スタートガイドも「iPhone」「Android」「iD付きカード」の3つの入口から始まります。
カード一体型はiDマークで見分ける
iD公式サイトでは、スマートフォンやスマートウォッチのほかに一体型のカードでも使えるとされています。スタートガイドによると、手持ちのカードがiDに対応しているかは、カードの表面や裏面にiDマークがあるかで確かめられます。
iPhoneはウォレットアプリに追加する
iDスタートガイドのiPhone向け手順は、2026年9月時点で次の流れです。
- ウォレットアプリを開き、「追加」をタップします。
- 「クレジットカードなど」を選び、Apple Payの説明を確認して「続ける」に進みます。
- カードの表面をカメラで読み込み、名前とカード番号を確かめます。
- 有効期限とセキュリティーコードを入力し、規約に「同意する」をタップします。
- 画面の表示に従って認証を済ませます。
Apple Watchへの登録はAppleのサイトを参照するよう案内されています。サイドボタンを押してからかざすまでのiPhone側の動きは、Apple Payの使い方で順に追えます。
AndroidはGoogle ウォレットとiDアプリの2通り
Androidの入口は2つあり、スタートガイドでも「Google ウォレットにカードを追加」と「iDアプリに登録」のどちらかを選ぶ形になっています。どちらを使えるかはカード会社によって違います。
Google ウォレット ヘルプによると、2026年9月時点でGoogle ウォレットでiDを使うには、Android 9以降でおサイフケータイ対応のスマートフォンと、おサイフケータイアプリ9.0.0以降が必要です。同ヘルプには、スマートウォッチでのiDにまだ対応していない発行会社があるとも書かれています。Android側で本人確認コードを受け取る場面を含めた登録の流れは、Google ウォレットの使い方を参照してください。
iDアプリは、おサイフケータイ対応のスマートフォンにカード情報を登録して使う専用アプリです。三井住友カードの案内では、iDアプリがあらかじめ入っている機種ではインストール不要とされています。dカードの設定ページでは、Googleアカウントでログインしたあと、会員番号16桁とiD用の4桁の暗証番号を入力して登録する流れが示されています。この暗証番号は、端末の暗証番号やネットワーク暗証番号とは別物だと注記されています。
登録した場所で支払いの方式が決まる
見落としやすいのが、同じクレジットカードでも登録の入口によって店頭での方式が変わることです。三井住友カードのGoogle Pay案内では、2026年9月時点で、Google ウォレット アプリ側から登録したカードはiDとして扱われます。国際ブランドのタッチ決済で使いたい場合はVpassアプリから設定するよう書き分けられています。
つまり、Androidでは「どのアプリから入れたか」で、レジで伝える言葉まで変わるということです。登録を終えたら、ウォレットのカード表示にiDのマークが出ているかを見ておくと、レジで迷いません。
iDアプリで使うカード情報は、再発行が必要になると時間がかかることがあります。三井住友カードの案内では、再発行に2週間程度必要な場合があるとされています。スマートフォンを替える予定があるなら、先にカード会社の手続きを確認しておきましょう。
レジでは「iDで」と伝えてかざす
支払いの操作そのものは短く済みます。iDスタートガイドでは「『iD』ロゴのある店舗で、お会計時に『iDで支払います』と伝えてください」と案内され、三井住友カードのGoogle Pay案内も「iDで」と声をかけるよう書いています。あとはスマートフォンやカードを読み取り機にかざすだけです。
iD公式サイトでは、2026年9月時点で全国約264万台以上の端末で使えるとされています。NTTドコモのページでは、コンビニやスーパー、ドラッグストア、タクシーなどが例に挙がっています。店に着いたらレジ周りのiDロゴを探すのが確実です。
NTTドコモのページには「お店によっては、暗証番号の入力が必要になる場合がございます」とも書かれています。1回に使える金額の上限はiD公式サイトで一律には示されておらず、カード会社の案内で確かめる必要があります。iDと並んでレジの端末に表示されることが多いもう一方の電子マネーは、QUICPayの使い方が入口になります。
iDを使い始める前に
最初に確かめておきたいのは3つです。
- タイプ:手持ちのカードがポストペイ型か、プリペイド型やデビット型か。後の2つは自販機やガソリンスタンドなど一部で使えません
- 入口:iPhoneはウォレット、AndroidはGoogle ウォレットかiDアプリか。Androidでは入口で方式が変わるカードがあります
- 表示:登録後、カードの表示にiDのマークが付いているか
この3つを押さえれば、あとはレジで「iDで」と伝えてかざすだけです。対応カードや条件は変わることがあるため、迷ったときはiD公式サイトと使っているカード会社の最新の案内を確認してください。