QRコード決済は、スマートフォンのアプリに表示したコードや、お店に置かれたQRコードを使って会計を済ませる支払い方です。サービスはいくつもありますが、レジでの動きは「お店にコードを読んでもらう」か「お店のコードを自分で読む」かの2つにほぼ集約されます。違いが出るのは、その2つのどちらに対応しているかと、代金をどこから支払うかです。この記事では、キャッシュレス推進協議会の資料と、PayPay・楽天ペイ・d払い・au PAY・メルペイの利用者向け公式案内で確認できた範囲(2026年10月時点)で、2つの方式と支払い元の違いを整理します。かざして払うタッチ決済との違いは、タッチ決済とコード決済の違いと使い分けで扱っています。
誰がコードを読み取るかで方式が決まる
一般社団法人キャッシュレス推進協議会の「コード決済に関する統一技術仕様ガイドライン【利用者提示型】」(Ver.1.2)では、コード決済を次の2つに分けて定義しています。
- 利用者提示型(CPM):利用者がスマートフォンなどにバーコードまたはQRコードを表示し、お店側の端末に読み取らせる方式
- 店舗提示型(MPM):お店にあらかじめ置かれたQRコード、またはお店側の端末に表示されたQRコードを、利用者が自分のスマートフォンで読み取る方式
この記事では、前者を「コード支払い」、後者を「スキャン支払い」と呼びます。どちらで払うかは利用者が選ぶのではなく、お店の設備で決まります。メルペイのヘルプでも、2つの方法は「ご利用されるお店により異なります」と案内されています(2026年10月時点)。

コード支払いは画面を見せるだけで終わる
コード支払いでは、アプリにコードを表示して店員に見せ、読み取ってもらえば支払いが終わります。金額はお店側のレジで決まるため、利用者が数字を打ち込む場面はありません。2026年10月時点の各社公式案内による操作は次のとおりです。
- PayPay:ホーム画面の[支払う]を選び、表示されたバーコードを店員に読み取ってもらいます
- 楽天ペイ:支払い方法で「R Payコード・QR払い」を選び、バーコードまたはQRコードを提示します
- d払い:アプリを起動し、ホーム画面のバーコードを表示して読み取ってもらいます。完了すると決済音が鳴り、レシートメールが届くとされています
- au PAY:レジで「au PAYで」と伝え、決済用のバーコード/QRコード画面を提示します。au公式サポートの案内では、支払いコードの有効期限は5分間とされています
通信が不安定な場所への備えがあるのもこの方式です。PayPayの「オフライン支払い」は、お店がバーコードを読み込む形式で、かつお店の決済端末がオンラインの場合に使えるとされ、上限は1回50,000円です。d払いでも、接続が不安定なときは「ネット未接続で支払い」と表示されて支払えますが、その場合はdポイントを使えないと案内されています(2026年10月時点)。
スキャン支払いは金額を自分で入れる
スキャン支払いでは、お店に掲示されたQRコードをアプリのカメラで読み取り、支払う金額を自分で入力します。確定の前に店員と画面を確かめる手順は各社で共通です(2026年10月時点)。
- アプリの読み取り機能を開きます(PayPayは[スキャン]、楽天ペイは[QR読み取り]、d払いは「読み取る」、au PAYは[コード読取])。
- お店のQRコードにカメラを向けて読み取ります。初回はカメラへのアクセス許可を求められます。
- 会計の金額を入力します。楽天ペイでは、金額が指定されているコードなら入力を省略できるとされています。
- 画面を店員に見せて金額を確認してもらいます。
- [支払う]を押す、またはスライド・スワイプして確定します。
au PAYの案内では、「お支払い金額(税込)」が正しいことをお店の方と一緒に確認してから、右方向にスワイプして完了する流れになっています。楽天ペイには、QRコードを読まずにアプリで支払うお店を選んで金額を入れる「セルフ払い」もあります。
2つの方式を並べて比べる
2026年10月時点の各社公式案内とキャッシュレス推進協議会の定義をもとに、2つの方式を並べます。
比べる点 | コード支払い(利用者提示型) | スキャン支払い(店舗提示型) |
コードを出す側 | 利用者のアプリ | お店(掲示や端末の表示) |
読み取る側 | お店の端末 | 利用者のスマートフォンのカメラ |
金額の入力 | 不要(レジで決まる) | 利用者が入力する |
確定の操作 | 読み取られた時点で完了 | 店員と画面を確認してから自分で確定 |
通信が不安定なとき | PayPayやd払いでは支払える仕組みがある | 今回確認した公式案内に記述なし |
スキャン支払いは入力と確認のぶん一手間増えます。その代わり、スキャン支払いはお店側に読み取り端末がなくても会計できる方式です。
支払い元はサービスごとに組み合わせが違う
レジでの動きが同じでも、代金をどこから払うかはサービスごとに異なります。各社の公式案内(2026年10月時点)で確認できた支払い元は次のとおりです。
- PayPay:PayPay残高、PayPayクレジット、クレジットカード、PayPay商品券。PayPayクレジットは、当月に使った金額を翌月にまとめて払う方法と説明されています
- 楽天ペイ:お支払い元としてクレジットカード、楽天ペイ残高、楽天銀行口座払いを設定できます。登録できるカードは楽天カードとVisa・Mastercard・JCB・American Expressで、プリペイドカードやデビットカードは登録できない場合があるとされています。楽天ポイントも支払いに使えます
- d払い:支払い方法に電話料金合算払い、d払い残高、dカードのいずれかを設定します。dポイントは利用数を事前に設定して使います
- au PAY:コード支払いでは、支払い画面に表示されるau PAY 残高が支払い可能金額とされています。残高へは、auかんたん決済(通信料金合算支払い)、au PAY カード、auじぶん銀行、現金、クレジットカード、Pontaポイントなどからチャージできます
- メルペイ:メルペイ残高、ポイント、メルペイのクレジットを使え、組み合わせて払うこともできます
まとめると、支払い元は「先に入れた残高から払う」「カードや後払いで翌月に払う」「銀行口座や携帯電話の料金と一緒に払う」に分かれます。前もって残高を入れる必要があるかどうかは、この設定次第です。PayPayのチャージ方法や残高の種類はPayPayの登録から支払いまでの流れで、au PAYの登録やチャージはau PAYの使い方とApple Payとの違いで詳しく扱っています。
お店のレジ横に「JPQR」のマークがある場合は、1枚のQRコードで複数のサービスに対応しています。JPQR総合情報サイトによると、JPQRはキャッシュレス推進協議会が策定したQRコード決済の統一規格で、複数社の決済QRコードを1枚にまとめたものです。利用者は、自分が使っているアプリでそのコードを読み取ります。なお、au公式サポートの案内では、au PAYは楽天ペイ(アプリ決済/一部店舗)のマークがあるお店でも使えると案内されています(2026年10月時点)。
まとめ
- QRコード決済の払い方は、アプリのコードをお店に読んでもらうコード支払いと、お店のQRコードを自分で読むスキャン支払いの2つです。どちらになるかはお店の設備で決まります
- コード支払いは金額の入力が要らず、スキャン支払いは金額を入力して店員と確認してから確定します
- 支払い元は、残高・クレジットカード・後払い・銀行口座・携帯電話の料金合算などがあり、組み合わせはサービスごとに違います(2026年10月時点)
- 1回あたりの上限額や回数、使えるお店はサービスや会員の状態で変わるため、使う前に各社の公式案内で確かめておくと安心です
まずはよく行くお店のレジでどちらの方式が使えるかを見ておき、払い方に合った支払い元を1つ設定しておくと、初めての会計でも迷わずに済みます。