「決済対応」と書かれたスマートウォッチでも、すべてが同じ決済に対応しているわけではありません。クレジットカードのタッチ決済(非接触決済)は使えてもSuicaは使えない、という差が機種系統ごとにあります。この記事では、使える決済の種類の違いを整理し、Apple Watch、Wear OS(Pixel Watch・Galaxy Watch)、Garmin、Fitbit、HUAWEI、Xiaomiの6系統について、2026年10月時点で公式情報から確認できた対応と確かめ方をまとめます。
ウォッチで使える決済は「かざす」3種類と「見せる」1種類
スマートウォッチの決済は、読み取り機にかざす方式と、画面にコードを表示する方式に分かれ、かざす方式はさらに3種類あります。
- タッチ決済:Visa、Mastercard、JCB、American Expressなど国際ブランドのクレジットカードやデビットカードを登録し、タッチ決済マークがある読み取り機にかざします。
- 交通系IC(Suica・PASMOなど):ウォッチの中に交通系ICカードを作り、残高をチャージして改札や店舗で使います。
- iD・QUICPay:クレジットカードなどを登録すると、発行会社に応じてiDかQUICPayとして使える電子マネーです。支払いは登録したカードを通して行われます。
- コード決済(PayPayなど):ウォッチ用アプリでバーコードやQRコードを表示し、店員に読み取ってもらいます。NFCの有無とは別の話です。
かざす3種類は、Apple Watchならウォレット(Apple Pay)、Pixel WatchやGalaxy WatchならGoogle ウォレット、GarminならGarmin Payと、機種系統ごとに決まったウォレットアプリに登録して使います。対応の有無はこのアプリの公式ヘルプで確かめられます。
6つの機種系統で公式に確認できた対応
2026年10月時点で各社の公式サイト・公式ヘルプから読み取れた対応です。「公式に記載なし」は対応を示すページが見つからなかった意味で、使えないと断定するものではありません。
機種系統 | タッチ決済 | Suica | PASMO | iD・QUICPay | コード決済 |
Apple Watch | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応(PayPay) |
Wear OS | 対応 | 対応(国内購入品) | 対応(国内購入品) | 対応 | 公式に記載なし |
Garmin | 対応(一部銀行のVisaデビット) | 対応 | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし |
Fitbit | 対応(一部発行会社のカード) | 対応(対象機種のみ) | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし |
HUAWEI | 日本は対象地域外 | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし |
Xiaomi | 国内の対応サービスなし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし |
Apple Watchは、Appleサポートによると最新のwatchOSを搭載したSeries 3以降でSuica・PASMO・ICOCAを使えます。iDの公式サイトではSeries 2以降が対象です。PayPayのヘルプにはApple Watch用アプリの案内があります。
Pixel Watchは、Googleのヘルプで4ブランドのタッチ決済とSuica、PASMO、QUICPay、iDに対応するとされています。Galaxy Watchは、サムスン電子ジャパンの2025年8月1日付リリースでGalaxy Watch8がSuica・モバイルPASMO・iD・QUICPayに対応し、Galaxy Watch6以降も同様とされています。機種ごとにSuicaのどの操作ができるかは、Suica対応スマートウォッチを機種別に整理した記事で扱っています。
GarminはGarmin Payの公式ページで、PayPay銀行・三菱UFJ銀行・ソニー銀行のVisaデビットカードとSuicaに対応し、「VISAクレジットカードは対応しておりません」と明記されています。FitbitはGoogleのヘルプで、Suicaの対象機種としてCharge 4の一部、Charge 5、Charge 6、Sense、Sense 2、Versa 3、Versa 4が挙げられています。

設定の大枠は「スマホ側で登録し、ウォッチでかざす」
細かな手順は機種ごとに異なりますが、ペアリングしたスマートフォンのアプリからカードを登録し、ウォッチをかざして支払う流れはどの系統でも同じです。
Apple Watchでは、iPhoneのApple Watchアプリの「ウォレットとApple Pay」からカードを追加します。店頭ではサイドボタンをダブルクリックしてカードを選び、かざします。1枚目の交通系ICは自動でエクスプレスカードになり、認証なしで使えます。
Wear OSでは、ウォッチでGoogle ウォレットを開いて画面ロックを設定し、スマートフォンの案内に沿って追加します。Googleのヘルプによると、QUICPayとiDはアプリを開かずにかざすだけで支払え、タッチ決済をアプリを開かずに行う「エクスプレス決済」は2026年10月時点でPixel Watch 2以降のみです。Fitbitは決済機能がGoogle ウォレットに切り替えられており、Google Healthアプリから追加します。
Wear OSのSuica・PASMOには「日本で購入したデバイス」という条件があります。Googleのヘルプでは、Pixel WatchでSuicaやPASMOを使うには日本で購入したPixel Watchが必要とされ、FeliCa対応も前提です。海外版を個人輸入すると、タッチ決済は使えても交通系ICは追加できないことがあります。
使えない場面を先に知っておく
表で「対応」でも、次の制限があります。
- 定期券:Googleのヘルプでは、Wear OSのSuica定期券は「お使いのスマートウォッチではサポートされていません」とされ、FitbitのSuicaもグリーン券と定期券は購入できません。
- 既存カードの移行:FitbitのSuicaは、プラスチックカードやモバイルSuicaを追加できず、新しいFitbitへ移すこともできません。
- コード決済の支払い元:PayPayのヘルプによると、Apple Watchに表示したコードでの支払いは「PayPay残高」払いで、モデルやサイズによってはバーコードが読み取れないことがあります。対応端末と制限はスマートウォッチでPayPayを使うときの条件にまとめています。
- 登録できるカードの範囲:Garmin PayはVisaクレジットカードに対応せず、Fitbitの日本向けGoogle ウォレットも三菱UFJ銀行・エポスカード・PayPay銀行・ソニー銀行のVisa、住信SBIネット銀行のMastercardなどに限られます。
- HUAWEIとXiaomi:HUAWEIのサポートページでは、ウェアラブルで銀行カードを使える地域は香港・マカオ・ロシアで、日本は含まれていません。Xiaomiの日本公式サイトは、Xiaomi Smart Band 10 ProについてNFC搭載ながら「現時点で日本国内では対応しているサービスがございません」と注記しています。
買う前に確かめる3つの順番
候補が決まったら、次の順で確かめると買ってから困りにくくなります。
- ウォレットアプリの公式ヘルプを開く。 使いたい決済の名前が書かれているかを見ます。
- 決済サービス側の対応発行会社を見る。 iD・QUICPay、Garmin Pay、Fitbitの対応カードは発行会社ごとに決まっています。
- 日本で販売された機種かを確かめる。 交通系ICはFeliCaと日本での販売が前提です。
レジではかざす前に「Suicaで」「iDで」のように決済の種類を伝えます。伝え方とタッチ決済の上限額は、タッチ決済の伝え方と上限額をまとめた記事を参考にしてください。
まとめ
スマートウォッチの決済は、かざす方式のタッチ決済・交通系IC・iD/QUICPayと、コードを見せるコード決済に分かれ、どれが使えるかは機種系統のウォレットアプリで決まります。2026年10月時点の公式情報では、Apple WatchとWear OSはかざす決済の4種類に対応し、GarminとFitbitはSuicaと一部発行会社のカードに限られ、HUAWEIとXiaomiは国内での決済が対象外です。使いたい決済の名前、発行会社の一覧、日本で販売された機種かどうかの3点を公式ページで確かめてから選んでください。