プリペイドカードは、先にお金を入れておき、その範囲で支払うカードです。金額が決まったギフトカードと、Visaなどのマークが付いて繰り返しチャージできるカードでは、作り方も使える場所も違います。この記事では、日本資金決済業協会の解説と、三井住友カード、Vプリカ、Visa、楽天銀行、dカード プリペイド、SU-PAYの公式ページで確認できた範囲をもとに、2つのタイプの違い、作り方とチャージの方法、公式に「使えない」とある支払いを整理します(2026年10月時点)。
前払いで使うカードという位置づけ
日本資金決済業協会の解説ページでは、商品券やプリカは「あらかじめお金を払っておいて、買い物のときに決済する」ため、法律上は「前払式支払手段」と呼ばれると説明されています。種類としては、デパートの商品券やカタログギフト券、テレホンカードのような磁気型・IC型のプリペイドカード、ネット上で使えるプリカの3つが挙げられています(2026年10月時点)。
同協会によると、発行者には資金決済法にもとづく届出や登録、預かった資金の一部の保全などが義務づけられ、発行者名、有効期限、利用可能な場所などを利用者に知らせることになっています。
クレジットカード・デビットカードを含めた支払い時期の全体像は、前払い・即時払い・後払いで分けたキャッシュレス決済の整理で扱っています。
使い切り型とチャージ型を並べて比べる
三井住友カードの解説ページでは、プリペイドカードを「使い切り型」と「チャージ型」の2つに分けています(2026年10月時点)。使い切り型は1,000円や3,000円など金額が決まったカードを買って使うタイプで、図書カードやQUOカードなどのギフトカードに多いとされています。チャージ型は入金して使い、残高がなくなったら再びチャージして繰り返し使うタイプです。
項目 | 使い切り型 | チャージ型 |
使える金額 | 買ったときに決まった額面 | チャージした残高の範囲 |
主な例 | 図書カード、QUOカードなどのギフトカード | nanaco、WAON、Suica、Visaなどのブランド付きカード |
入手の仕方 | カードを購入する | 申し込みや会員登録をしてから入金する |
使える場所 | カードに表示された利用可能な場所 | ブランド付きなら、そのブランドの加盟店(一部除く) |
チャージ型の中も、同じページでは流通系(nanaco、WAON、楽天Edyなど)、交通系(Suica、ICOCA、PASMOなど)、国際ブランド付き(Visa、Mastercard、JCBなど)に分けられています。Visaの公式ページには、事前に設定金額分がチャージされている使い切り型のVisaプリペイドカードも一部あると書かれており、ブランドの有無と使い切りかどうかは別の軸です。以下は国際ブランド付きのチャージ型を中心に見ます。
ブランド付きのカードを作る流れ
三井住友カードの解説ページは、国際ブランド付きのプリペイドカードの発行にはクレジットカードのような審査がなく、銀行口座や年収などの提示も要らないと説明しています。Visaの公式ページも「クレジット審査や銀行口座不要」としています(2026年10月時点)。ただしdカード プリペイドの公式ページには、発行会社の判断で発行できない場合があるとの注記があります。
作り方は大きく3通りに分かれます。
- アプリで作る:Vプリカは、アプリでアカウントを登録するとホーム画面にカードができ、チャージすればネット上のVisa加盟店で使えるとしています。実店舗で使うには、別にリアルカードの発行が必要です
- 銀行口座から申し込む:楽天銀行プリペイドカード(JCB)は16歳以上が対象で、口座を開設したあと、ログイン後の画面から申し込みます。口座開設と同時には申し込めません
- 店頭で登録する:SU-PAYのトライアルプリペイドカードは、店舗のサービスカウンターにある入会端末か、カード裏面のQRコードから会員登録できると案内されています
年齢の条件は商品ごとに違います。三井住友カードの案内では、同社のカードで6歳から使えるのは「かぞくのおさいふ」と「Visaプリペ」のみとされています(2026年10月時点)。
チャージの方法と、残高・期限の決まり
チャージの手段も商品によって異なります。Vプリカの公式ページでは、コンビニ端末で買うチャージコード、ギフトコード、後払い、銀行口座、クレジットカードの5種類が案内されています。コンビニで買うチャージコードは、たとえば2,000円分の販売金額が2,200円とされ、チャージ額より支払額が多くなる点に注意が必要です(2026年10月時点)。
楽天銀行プリペイドカードは、普通預金の残高から1,000円以上1円単位でチャージでき、オートチャージや楽天ポイントでのチャージにも対応しています。1日の利用限度額は1,000円単位で自分で設定できます。dカード プリペイドは残高の上限を30万円としています。SU-PAYは、1,000円単位で1回4万9,000円まで、総額25万円までチャージでき、チャージ後は返金できないと明記しています(いずれも2026年10月時点)。
有効期限も商品で違います。楽天銀行の注意事項では、発行日、最後にチャージした日、最後に使った日のうち遅い日から13カ月でバリュー残高が失効するとされています。一方、SU-PAYはチャージした電子マネーに有効期限はないとしています。
日本資金決済業協会の解説によると、商品券やプリカは原則として払戻しが認められていません。例外は、払戻金額が少額の場合や、引越しなどやむを得ない事情で使えなくなった場合などで、認められるかどうかは発行者の判断によるとされています。チャージは使う見込みのある分だけにしておくと、残高を持て余しにくくなります。
公式に「使えない」とされている支払い
ブランド付きでも、加盟店ならどこでも使えるわけではありません。三井住友カードのプリペイドの案内では、次の支払いには使えないとされています(2026年10月時点)。
- 公共料金、電話料金、プロバイダー利用料、保険料など、月額・継続契約の料金
- ガソリンスタンド、高速道路通行料金(有人ブース)、航空会社の機内販売、一部のホテル
- 各種プリペイド・電子マネーの購入やチャージ
- 新幹線のチケットや貴金属など換金性の高い商品、金融商品の決済、寄附
同社の解説ページは理由の1つとして、後払いを前提とする分割払いや自動引き落としがプリペイドカードには適用されない点を挙げています。楽天銀行も、高速道路、ガソリンスタンド、携帯料金・公共料金などの月額料金、一部のオンライン・電子マネー加盟店では使えないとしています。dカード プリペイドは、ドコモの携帯電話料金を含む電話料金、飲料自動販売機、ガソリンスタンドなどを挙げています。デビットカードにも似た制限があり、その違いは引き落とし時期や審査で比べたデビットとクレジットの違いで確認できます。
支払いのやり方に制約がある商品もあります。楽天銀行プリペイドカードは磁気ストライプでの決済のみに対応し、ICチップやタッチ決済には対応していないと案内しています。また1回の支払いにプリペイドとクレジットを併用できないとしています。スマートフォンに登録したい場合は、Apple Payで使えるカードの確かめ方も参考になります。
作る前に決めること
申し込む前に決めておくと迷いにくい点を挙げます(2026年10月時点)。
- 贈るのか、自分で使い続けるのか:贈り物や使う店が決まっているなら使い切り型、日常の支払いに使うならチャージ型
- 使う場所:ネットだけならアプリのカードで足りる商品もあります。実店舗で使うなら、リアルカードの有無や、タッチ決済・スマートフォン登録への対応を確認します
- チャージの手段:銀行口座、コンビニ、クレジットカードのどれから入れるかで、手数料や手間が変わります
- 払いたいもの:公共料金、携帯料金、ガソリン代、サブスクなど月額の支払いに使えるかは、発行元の案内で必ず確かめます
- 残高と期限:上限額と有効期限を見て、払戻しは原則できない前提で使う分だけ入れます
条件は発行元ごとに異なり、変わることもあります。申し込む前に、検討しているカードの公式ページと規約を確認してください。