PASMOをスマートウォッチで使いたいとき、最初に気になるのが「Apple Watch以外でも使えるのか」という点ではないでしょうか。2026年9月時点では、Apple WatchはApple PayのPASMOとして、Google Pixel WatchやGalaxy WatchなどのWear OS搭載ウォッチはモバイルPASMOとして、どちらも公式に対応しています。ただし、時計だけで完結する操作と、スマートフォン側の操作が必要な場面が分かれており、ここを知らずに移行すると定期券の更新や払いもどしで手が止まります。公式ページで確認できた対応機種・手順・操作の範囲を整理します。
PASMOが使えるスマートウォッチ
2026年9月時点でPASMOに対応するスマートウォッチは、大きく2系統です。
- Apple Watch:Apple PayのPASMOとして使います。PASMO協議会の対応機種ページによると、watchOS 7.0以降のApple Watch Series 3以降が対象で、iOS 14.0以降のiPhone 8以降とのペアリングが前提です。
- Wear OS搭載ウォッチ:モバイルPASMOとして使います。モバイルPASMOの対応端末ページ(2026年8月更新)では、Google Pixel Watch(1・2・3・4)とGalaxy Watch(6・7・Ultra・8)が挙げられています。
Wear OS側の対応は2025年6月30日に始まったもので、PASMO協議会の発表では「日本で購入した端末のみ対応」「対象機種は今後拡大予定」とされています。
なお、Suicaは発行元も設定手順も別物です。Suica派の方はApple WatchでSuicaを使う手順をまとめた記事をご覧ください。
Apple Watchで使う手順
新しく発行する方法と、iPhoneのPASMOを移す方法の2通りがあり、どちらもiPhone側のWatchアプリから操作します。
新規発行
- iPhoneでWatchアプリを開き、「マイウォッチ」タブの「ウォレットとApple Pay」をタップします。
- 「カードを追加」から「交通系ICカード」を選び、PASMOをタップします。
- 「新規カードを追加」を選び、チャージ金額を決めて追加を完了します。
iPhoneからの移行
- 同じく「ウォレットとApple Pay」を開きます。
- Apple Watchへ移したいPASMOの横に表示される「追加」をタップします。
- 画面の案内に従って追加を完了します。
PASMO協議会のApple Watchページでは「1枚のPASMOをiPhoneとApple Watchの両方で使うことはできない」「交通機関での移動中はデバイス間で転送できない」「移動するとPASMO ID番号が変わる場合がある」と案内されています。
Wear OSウォッチで使う手順
モバイルPASMO公式の「Google Pixel Watch 等でのご利用」ページに沿った手順です。
新規発行
- スマートウォッチでGoogle ウォレットを起動し、「+」をタップします。
- Androidスマートフォンに表示された画面で「スマートウォッチに追加」をタップします。
- 「電子マネー」から「PASMO」を選び、ログイン認証と規約の承認を行います。
Androidスマートフォンからの移行
- Google ウォレットで「スマートウォッチに追加」から「電子マネー」「PASMO」を選びます。
- 「スマートフォンからカードを移行する」を選びます。
- 規約を承認し、移行するPASMOを確認して実行します。
公式ページには「PASMOは1つのGoogleアカウントにつき1枚のみ発行可能」とあり、1枚をスマートフォンか時計のどちらかに置いて使う形です。
定期券・チャージ・払いもどしの扱い
2026年9月時点の公式案内を、時計でできる操作とスマートフォンが必要な操作に分けて整理します。
Apple Watchでは、Apple PayのPASMOサポートによると、ウォレット内のクレジットカードからのチャージ、定期券の継続購入、残額確認、PASMOの削除が時計上で行えます。それ以外のサービスはペアリングしたiPhoneのPASMOアプリまたはWatchアプリでの操作が必要とされ、SF(電子マネー)残額の払いもどしはiPhoneのPASMOアプリから手続きし、返金時には手数料がかかります。
Wear OSウォッチでは、モバイルPASMOサポートによると、時計で使えるのは無記名PASMOの新規発行、チャージ(クレジットカード・現金・オートチャージ)、鉄道・バス・加盟店での利用、残高確認、利用中の定期券の継続購入です。記名PASMOの発行やカード型からの移行は時計ではできません。継続購入の決済は、ペアリングしたAndroidスマートフォンのコンパニオンアプリ(「Watch」アプリや「Galaxy Wearable」)から操作します。一方、定期券の新規購入・区間変更・払いもどし、オートチャージの申込みや解約、会員登録、退会は時計ではできません。「スマートウォッチ内にあるPASMOは、Android端末のPASMOアプリからはアクセスできない」ため、これらが必要なときはPASMOをスマートフォンに移してからモバイルPASMOアプリで手続きします。
Wear OSウォッチでは、定期券の有効期限が切れた後の再購入も時計ではできず、先にスマートフォンへPASMOを移してからモバイルPASMOアプリで手続きする旨が公式サポートに記載されています。期限内なら時計に置いたまま更新できますが、期限を過ぎると「移す→買う→戻す」の3手順になるため、期限をカレンダーに入れておくと安心です。
対応機種×できる操作の対応表と、よくあるつまずき
2026年9月時点で公式ページに記載のある範囲だけを表にまとめます。「時計で可」は時計とペアリング用アプリ(Watchアプリ・コンパニオンアプリ)で完結する操作、「スマホ側」はPASMOアプリでの操作や移し替えが必要な操作です。
できる操作 | Apple Watch(Series 3以降) | Wear OSウォッチ(Pixel Watch・Galaxy Watch) |
新規発行 | 時計で可(iPhoneのWatchアプリから) | 時計で可(無記名PASMOのみ) |
スマホからの移行 | 時計で可(Watchアプリで「追加」) | 時計で可(1アカウント1枚) |
チャージ | 時計で可(ウォレット内のクレジットカード) | 時計で可(クレジットカード・現金・オートチャージ) |
定期券の継続購入 | 時計で可(クレジットカード決済) | 時計で可(決済はコンパニオンアプリ) |
定期券の新規購入・区間変更 | スマホ側(iPhoneのPASMOアプリ) | スマホ側(移してからPASMOアプリ) |
払いもどし・退会 | スマホ側(iPhoneのPASMOアプリ) | スマホ側(移してからPASMOアプリ) |
公式ページに書かれている注意点のうち、つまずきやすいものを挙げます。
- 1枚のPASMOを2台で同時に持てない:どちらの組み合わせでも1台にしか置けず、時計に移した後はスマートフォンでの改札タッチは使えません。
- 改札内では移せない:Appleサポートによると、交通機関での移動中は移行できず、以前のデバイスが近くにありインターネットに接続されている必要があります。
- 移行できないカードがある:iPhoneやApple Watchに移せるカード型PASMOは無記名・大人用記名・通勤/通学定期券に限られ、クレジットカード一体型や小児用は移行できません。
- ファミリー共有のApple Watchは制限がある:定期券の新規購入など会員登録が必要なサービスと、定期券の払いもどしはできません(継続購入は可能)。
移行する前に決めておくこと
移行作業は数分で終わりますが、その後の運用は「PASMOをどこに置くか」で変わります。次の3点を先に決めておくと迷いません。
1つ目は、PASMOを時計に常駐させるか、スマートフォンと行き来させるかです。定期券の新規購入や払いもどしはどちらの機種でもスマートフォン側の操作が必要で、とくにWear OSウォッチはその都度移し替える運用になります。
2つ目は、定期券をどちらで管理するかです。継続購入は時計で完結しますが、新規購入や区間変更はスマートフォンが必要で、Wear OSウォッチでは期限切れ後の再購入も同様です。
3つ目は、そもそもどの時計を使うかです。対応機種以外を検討している場合は、PASMOの対応可否が機種選びの条件になります。機種が決まっていない方は、iPhoneに対応するスマートウォッチの選び方を扱った記事もあわせてご覧ください。
対応機種や操作の範囲は更新されていくため、移行の直前にPASMO協議会とAppleサポートの最新ページを改めて確認することをおすすめします。